ゴールに
「投資苑2に書いてあるシステムをTradingViewで再現し、投資戦略を作り、バックテストを行う」
を設定し、少しずつトレードシステムを作っています。
前回、移動平均線を表示できたのですが、
バーチャートとは別のペイン(画面)に表示され、さらに引かれた2本の線がどちらも同じ色でよくわからないというところで終わりました。
今回は、バーチャートと移動平均線を重ねて表示する方法と、色分けについて解説していきます。
>>TradingViewのトップページへ行く前回作成したコードと、表示の確認
//@version=5
indicator("マイ移動平均線")
plot(ta.ema(close, 13))
plot(ta.ema(close, 26))
前回作成したコードです。
チャートに追加すると、画面下に作成したインジケーターが表示されます。
まずは、バーチャートとEMAが重ねて表示されるようにします。
オーバーレイで重ねて表示する
今のところindicator()には、引数に名前しか入れていませんが、いくつかオプションが存在します。
そのうちのひとつがoverlayです。
overlayがtrueだとメインチャート上に表示されます。falseだと別枠(ペイン)で表示されます。
特に指定していない場合、falseが初期値になります。
そのため、別枠として移動平均線が表示されてしまっていました。
移動平均線はメインチャートに重ねて表示させたいので、trueを指定します。
//@version=5
indicator("マイ移動平均線", overlay=true)
plot(ta.ema(close, 13))
plot(ta.ema(close, 26))
indicator()に新しくoverlay=trueという引数を追加しました。
画面下に分かれてしまっている移動平均線を削除しておきます。
非表示になっていますが、カーソルを近づけると表示されます。
「×」をクリックしてペイン(画面)を削除します。
オーバーレイの実装結果
修正したコードを保存して、「更新をチャートに反映」のプルダウンから「チャートに追加」してみてください。
2つのペインに分かれていたバーチャートと移動平均線が一つの画面に重ねて表示され、コンパクトになりました。
つまり、既存のインジケーターに重ねて表示させたいときは、overlayをtrueに指定します。
別々に表示したいときは、indicator()のオプションはそのまま(またはoverlay=falseを指定)にすれば、大丈夫です。
さて、画面はひとつになりました。
ですが、まだ2本ある移動平均線の色が同じで、どちらの期間かわかりづらいので、色分けしていきます。
plot()のオプションで色分けする
2本ある移動平均線を色分けしていきます。
indicator()に引数を設定したように、plot()にもいくつか引数を設定できます。
色を変えたり、線の太さを変えたり、グラフの種類を変えたりできるのですが、詳しくはplot()のリファレンスを参照してください。
plot()の引数にcolor=色の名前(または色コード)としてあげれば色分けができます。
赤色を指定する場合は以下のようになります。
// 定数を指定するパターン
color = color.red
// 色コードを指定するパターン
color = #FF5252
色コードについてはWEB色見本 原色大辞典 – HTMLカラーコードなどのサイトで調べることができます。
EMA(13)を赤色、EMA(26)を青色ということで、プログラムを修正します。
//@version=5
indicator("マイ移動平均線", overlay=true)
plot(ta.ema(close, 13), color = color.red)
plot(ta.ema(close, 26). color = color.blue)
色分けを実装
赤色と青色の線が2本引けました!
ようやく指標らしい指標をひとつ自作することができました。
EMAが表示できたので、大きなトレンドを判断したり、バリュー価格(適正価格)の目安や、仕掛けのポイントを判断する道具を手に入れたことになります。
投資苑2では移動平均線の次にチャネル(オートエンベロープ)が紹介されているので、次回はチャネルの実装に挑戦していきます。
チャネルは手じまいのポイントや、トレードの評価に利用します。
しかし実装するには標準偏差の計算と、計算結果をチャートとして表示するという問題を解決しないといけません。
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