このシリーズでは、TradingView(トレーディングビュー)という、高機能チャート等を利用できるサービスを使用して、トレーディングシステムを作っていきます。
ここでいうトレードシステムは、あらかじめ自分自身で仕掛けのタイミングや手じまいなどのルールを決めておき、条件を満たしたときにシグナルを出してくれるようなシステムのことを指します。
なので、売買まで自動で行うようなものではありません。
今回から数回に分けて紹介していくのは、TradingView上でプログラミングして、チャートを作成したり、インジケーターを作成したり、投資戦略を作成したり、作成した投資戦略のバックテストを行うといった、トレーディングシステムを作成していく過程です。
具体的なトレーディングシステムについては、エルダー博士の投資苑2の第5章のあたりを読みながら、一つずつ実装していきます。
プログラムに使用する言語は「Pineスクリプト」というTradingView専用の言語になります。
公式から日本語のリファレンスとチュートリアル(英語)は用意されているので、そちらを参照しながら進めていきます。
作成したプログラムを使用するにはTradingViewの会員登録が必要になります(無料会員で大丈夫です)。
なので、手を動かしながら読み進めたい人は、先に会員登録をしてください。
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テンプレートの解説

会員登録してログインしたら、TradingViewのチャートの画面を開いてください。
画面下の「Pine エディタ」を押すと、テンプレートのコードが表示されているかと思います。
もしコードが表示されていない場合はPine エディタのメニューにある「開く」を押してください。

新規インジケーターを押すと、サンプルのコードが表示されます。
//@version=5
indicator("マイスクリプト")
plot(close)
上のようなコードが表示されたと思います。
この部分の上にライセンスについての記載がありますが、動作には関係がないので、割愛します。
このコードは各バーの終値を描くプログラムです。
一番基本的な形になります。
上から順番に説明します。
インジケーターを作成するときのおまじない
//@version=5
indicator("マイスクリプト")
コードの最初の行はバージョンを表記します。
現在はバージョン5です。
バージョンによって書き方が大きく変わっている部分があるため、必ずバージョンの宣言はするようにしてください。
TradingViewではチャートなどの指標をインジケーターと呼んでいます。
indicator()と書くことで、インジケータであることを定義します。
かっこの中の「””」の間にはインジケーターの名前を入れます。
最初の2行はインジケーターを作成する際のおまじないのようなものなので、
今のところは名前の部分を変えるくらいで十分です。
チャートを描くにはplot()
plot(close)
3行目でようやく実際のプログラムが現れました。
plot()はデータを描画するさいに使用します。
よく使う関数です。
plot()の中には描くためのデータを入れます。
ここではcloseが入っています。
closeは終値を示す変数です。
つまりplot(close)は、終値を描いていくプログラムということです。
作成したインジケーターの適用方法
次回以降、投資苑2で紹介されている指標をインジケーターとして作成していくわけですが、
ただPineエディタにプログラムを書いただけでは、何も変化は起きません。
現在のチャートレイアウトにインジケーターを適用する必要があります。

追加方法は簡単で「チャートへ追加」をクリックすると現在の画面に適用されます。
今回の成果

おそらく、上の画像のように、標準で表示されているロウソク足と出来高が上にあって、下に自分で適用したチャートが表示されていると思います。
終値ベースの折れ線グラフですね。
初回ということで、テンプレートの解説をしました。
次回は移動平均線を描いていきます。
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